プロジェクト / 企画プロジェクト

じぶんの字がキライな人のための文具店

PILOT

#カルチャー #プランニング #プロモーション

手書き文字を、
個性として楽しむ

ペンの良さを知ってもらうには、
まず手にとって試してもらうこと。
でもそもそも身の周りのデジタル化が進み、
字を書く・ペンを持つ機会が減りつつある今、
どうすればペンを手にとってもらえるのか。
「ペンを使わない人」の気持ちに寄り添うことで
始まったパイロットのプロジェクトです。

プロローグ

ペンの良さを伝えたい。
どんな人に?

当初のお題はPILOTの技術の1つである「シナジーチップ」というペン先が搭載されたペン商品「Juice up」「FRIXION POINT KNOCK」のための販促キャンペーンでした。

シナジーチップとは従来あった2種類のペン先の良いところが集結したもので、細書きなのになめらかな書き心地が特徴です。SNSで商品のリサーチをかけてみると、文具好きのアカウントからはそのペンの素晴らしさがすでに十分なほど語られていました。となると、この商品を届ける人は誰?と考えたとき、今こだわりのペンを持っていない人、日常に書く習慣がない人に焦点を当ててみることに。その人たちはなぜペンを持たず、書かなくなってしまったのかを探るところから始まりました。

「字を書かない」は、
「(自分の字が嫌いだから)
字を書かない」かも

[仮説]字を書かなくなった理由は、便利になったから書く必要がなくなった人もいれば、自分の字が嫌いだから書くことから避けている人もいるのではないか?

ある調査によると自分の字に自信がある人は2割ほどしかおらず、また別の調査では二人に一人が自分の字にコンプレックスがあると回答していました。そして普段書く習慣がない人ほど、自分の字が嫌いな傾向があることがわかりました。

手書き文字も
「らしさ」のひとつ

企画を考えていく中で、自分の字にコンプレックスを抱えつつも、他人の字を見てその人のことを嫌いになることは滅多にないと気づき、

★自分が気にしないのだから、相手も自分の字なんて気にしない
★むしろ手書き文字は自分らしさを表現できるツールだ!

この2つの言葉を軸に改めてシナジーチップを見ると、
細書でなめらか・書き損じがない

→書く人の書きグセをそのまま表現
→字の個性(らしさ)を見逃さない!

ということにたどり着きました。

世間が美文字を推奨し、字にコンプレックスを抱える人も多い中、文具メーカーのPILOTが「字はきれいなじゃくても、あなたらしい字ならそれでいい。」と提言することで、字を書かなくなった人の心を動かせるのではないか。そんな思いで「じぶんの字がキライなひとのための文具店」がうまれました。

自分の字を知る、
自分の字を楽しむ

2022年の施策では、文具店店頭什器のメインコンテンツとして自分の字からAIが性格を診断してくれるAI筆跡診断を行い、特設サイトでは著名人の手書きメッセージを販売するチャリティ企画を行いました。

AI筆跡診断では字をきれいに書くコツではなく、こんな字を書く人は周りを明るく照らす人、ルールをしっかり守れる人、など自分の字からわかる「自分らしら」を知ってもらい、店頭での診断を兼ねた試筆を促しました。

また、文具好き以外の層にも届けるため、生活密着型ラウドロックバンド「打首獄門同好会」に、剣士とPILOT営業キャラクターがペンで様々な困難を乗り越える楽曲「PILOT STORY」を手掛けてもらいました。

2年目となる2023年は文具店店頭ではAI筆跡診断にカラー診断の要素を加えたものを実施し、それ以外のタッチポイントとして猿田彦珈琲とのコラボレーションでコーヒーを飲みながら字を書く時間を楽しむための企画を展開しました。

オリジナルのペンやコーヒーノートの配布の他、店内では言葉のアーティストとのタッグで「あの人の言葉を、自分の字で書いてみる展」も行い、様々なコンテンツで手書き文字や言葉を楽しんでもらいました。

店頭やSNSの反響をみると「実は自分の字が嫌いだったが、久しぶりに書きたくなった」「字は自分らしさというコンセプトが良い」「手書き文字をきっかけにお客さんとコミュニケーションが取れて嬉しかった」など、企画の始まりとなったターゲットにもしっかり届いていることがわかりました。

今のこの時代に、文具メーカーとしてどんな思いを届けたいか、どんな人に寄り添うかを考えたプロジェクトです。

Client:株式会社パイロットコーポレーション
Eecutive Producer: 萩尾友樹
Project Manager:近藤徹
Planner:堀越彩、相場葵
Creative Director + Copy Writer:堀越彩

打首獄門同好会 「PILOT STORY」

実施時期:2022年7月〜2023年12月

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