プロジェクト / 企画プロジェクト

桜十字病院「まってるラウンジ」

桜十字病院

#ブランディング #地域 #空間プロデュース

病院で過ごす時間を
もっとゆたかにするプロジェクト

熊本県熊本市にある「桜十字病院」。
地域医療を支えてきた病院として、
もっと患者さんに、そのご家族に
寄り添う存在であるための空間をプロデュース。
小山薫堂翻訳の絵本「まってる。」をコンセプトに、
病院で過ごす時間を豊かにする場と空気
を生み出しました。

プロローグ

病院で過ごす時間=
何かを「まってる。」時間

桜十字病院の環境・状況を伺う中で浮かんできたのは「まってる。」というキーワード。
「まってる。」とは、フランス生まれの絵本で、小山薫堂が翻訳をし、0000年に出版された絵本。ひとりの男の子が生まれておじいちゃんになるまでの一生の中で出会う、さまざまな「まってる」時間を切りとった物語です。
「ママのケーキが焼きあがるのを…」
「イエスという返事を…」
「ぼくたちの赤ちゃんを…」
「戦争が終わるのを…」
うれしいことも、切ないことも、ひとは、いつも何かを待っています。
病院という場所は、まさに、たくさんの人が何かを「まってる。」場所です。
そして、その時間が少しでも希望と未来に溢れたものになるようにとの思いを込めて、1Fの空間全体にストーリーを生んでいく企画をご提案しました。

病院の中に
「新しい居場所」
「日々の習慣」
「新しい過ごし方」を

目指したのは、WHOが定義する本来の意味での「健康=身体的・精神的・社会的に満たされた状態」を手助けする「過ごし方」のデザインです。見た目や機能にとどまらず、患者さん、ご家族、様々な理由で病院を訪れる方に人とのコミュニケーションや新鮮な刺激、心地よい時間を提供する場所を目指しました。とくに、入院病棟には長い時間を院内で過ごす患者さんがたくさんいます。その方々に病室以外の居場所や、毎日を楽しむきっかけを提供することで、病院で過ごす時間をゆたかにしたいと考えました。そのために用意したのが、「レタールーム」「シェアルーム」「ライブラリー」「カフェ」の4つの新たな居場所です。

レタールームは、病気と向き合う患者さんや患者さんと向き合うご家族が自身の思いを手紙に託し、したためるためのお部屋です。患者さんのベッドサイドに届く手紙や、退院する日の自分に宛てた未来への手紙など、それぞれの気持ちに合わせてお手紙を書くことができるようにしました。レタールームの隣には、「病院の中に家のリビングを」との思いで用意した「シェアルーム」があります。一人の時間、家族だけの時間を過ごしにくい病院の中で、ひとときでもお家の中で過ごすような安心感を得られるように、予約制で使用できる談話室としての役割を果たしています。患者さんが恋人と誕生日を祝ったり、家族と談笑したり…さまざまな用途で使っていただいています。

コーヒーの香りと、
読みたい一冊…︙
明日が楽しみになるように

病院での日々に新たな刺激や楽しみを加えられるように、「病院のなかに街の賑わいを」もたらすカフェをつくりました。熊本市内で評判のロースターによるスペシャリティコーヒーと、毎日でも通いたくなる豊富なフレーバーを用意したジェラートを用意し、車椅子の患者さんでも気軽に立ち寄れるやさしい空間を用意。

合わせて、コーヒー片手に本を楽しんでいただけるよう、「まってるライブラリ」を設置。BACHの幅允孝さんが選書した「明日が楽しみになる本」は、リハビリテーションの観点でさまざまな刺激をもたらす書籍が選ばれています。

空間のシンボルとなる、
「まってる。」の場面たち

病院の顔となるロビーは、白を基調に明るい空気感を作りながら、絵本「まってる。」のメインモチーフでもある赤い糸を随所に効かせ、あたたかみのある場所にしました。ロビーの大きな壁面には、このリノベーションプロジェクトを牽引した「まってる。」のさまざまな場面を配して、ここで過ごすさまざまな「まってる。」時間がゆたかになっていくようにとの願いを込めています。

Client:医療法人 桜十字
Executive Producer: 小山薫堂
Project Manager:木村陽一
Planner+Creative Director:新田あずさ
設計・インテリア・デザイン:GCC

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