プロジェクト / 事業プロデュース

尾道倶楽部

瀬戸内ブランドコーポレーション

#地域 #旅 #空間プロデュース

地域にある「宝物」を磨くことで、
エリアの新たなランドマークをつくる

長く地域に愛された旅館「千光寺山荘」を
「尾道倶楽部」としてリニューアル。
日本各地にはその土地にしかない“宝物”があります。
千光寺山の中腹に佇むこの場所の宝物は、唯一無二の「眺望」。
この眺望の価値を最大化し、
「尾道を目に宿す、宿」というコンセプトのもと、
地域の新たなランドマークになることを目指しました。

プロローグ

瀬戸内・尾道を愛する
地域の方と観光客が集い、
交わる場所

今回のプロジェクトは、「せとうちを世界一のサスティナブルな観光産業の集積地にする」というミッションを掲げる、瀬戸内ブランドコーポレーションとの施設ブランド再生事業パートナーシップから始まりました。

1962年創業の旅館「千光寺山荘」がコロナ禍を経て閉館。同社が物件を取得。新たな宿をオープンするにあたっての企画・ブランディング〜開業・PRまでを伴走し、一貫して担当させていただきました。

「尾道倶楽部」という名前には、かつての千光寺山荘がそうであったように、尾道を愛する地域の人々と、訪れる観光客が交わる“倶楽部”のような存在でありたい、という想いが込められています。

港町として発展した歴史、文化を紐解き、
人が集まる“兆し”を探る

尾道の「海の川」とも呼ばれる尾道水道は、瀬戸内海に面 した港町尾道と対岸の向島に挟まれた幅狭の水道で、 利便性の高い重要な交通路として多くの商人に重宝され港町として発展してきました。

この歴史背景が独自の町並みと文化を形成し、近年は国内外問わず人が訪れる人気の場所になっています。

周辺には歴史ある千光寺、桜の名所である千光寺公園と、観光地が多く、女子旅、カメラ旅など人が集まる兆しがあったものの日中の観光がほとんどで、日帰り客が多いという課題がありました。

また、しまなみ街道の入り口という立地からサイクリストの拠点としての宿泊需要はあるものの、今回の宿の立地は高台のため違うアプローチが必要だと考えました。

キーポイントは、施設内でも篭れる居心地の良さと、宿泊につながるための施設の強みを活かした夜の滞在価値の創出でした。

ここにしかない、眺望と体験を提供する
尾道を象徴する宿へ

尾道倶楽部からは、尾道水道を行き交う船、瀬戸内の多島美が楽しめます。この唯一無二の眺望こそがこのエリアの宝物であり、人が集まるための“装置”だと考えました。

まず目をつけたのは、最上階にあった使われていないバルコニー。

尾道の街を一望できるにも関わらず、未使用の空間がもったいなかったので、ルーフトップバーとして生まれ変わらせることを最初に企画しました。夜の滞在価値が上がることで、おのずと宿泊動機につながると考えたからです。

眺望とともに、瀬戸内レモンを使ったレモンサワーを楽しむ——それは、尾道という地域を五感で旅する、ラグジュアリーな体験です。世界中の人が旅する時代に、人を惹きつけるのは「ここにしかない体験」だと思います。

「瀬戸内の食材、美しい町並み、時の流れ」
人に共有したくなる旅の感動体験をつくる

「尾道を目に宿す、宿」としての体験は何か?

宿のコンセプトだけでなく、体験コンテンツも伴走して一緒に作りブランドを作っていきます。
今回、食の体験では瀬戸内のレモンを使用した「レモンサワー」の開発、瀬戸内の食の豊かさを一皿にした「尾道ブイヤベース」。味わいだけでなく、目にも美味しいビジュアル作りも力を入れました。

また、独自の町並みを良い楽しんでもらえるように、カメラの無料レンタルサービスを提供。カメラビギナー層~中級層が「いつか触ってみたい」機種が無料で借りられるサービスを展開することで、お客様自身の情報発信を後押ししました。

ホテルには、自ら撮影した写真をそのままポストカードにしたり、ギャラリー展示したりできるように手紙を書くための「LETTER ROOM」を設置。大切な人に向けて、あなただけのポストカードを送ることができ、旅の感動を共有できる仕掛けづくりをしています。

旅のハイライトになる場所を作り、それを記録する体験、共有するサービスを提供することで旅の価値を最大化する、一気通貫した企画設計を行いました。

Client:株式会社瀬戸内ブランドコーポレーション
Executive Producer:萩尾友樹
Planner+Creative Director:吉岡太郎
Planner+Director:永山慶志郎

尾道倶楽部

実施時期:2025年3月 OPEN

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