プロジェクト / 企画プロジェクト

RED U-35/CLUB RED

ぐるなび

#イベント #カルチャー #ソーシャルデザイン #プランニング #食

若手料理人版スター誕生。
次代の料理人たちが
食の未来を変革する

次世代を担う若き料理人を発掘する
「RED U-35」、
大会で発掘した才能をつなぐコミュニティ
「CLUB RED」をプロデュース。
美味の先にある価値を考え、
料理界から未来と世界を変えていくため、
毎年アップデートしながら推進しています。

プロローグ

食ライフスタイルの変化、
料理人のこれまでとこれから

ぐるなび社では、それまで加盟店シェフを対象とした料理コンテストを行なっていました。このイベントのアップデートのご相談として課されたお題は、外食文化の底上げへの寄与と話題化。

プロジェクトを立ち上げた2003年は、「和食」が無形文化遺産に登録され、「アジアのベストレストラン50」スタートし、「TOKYO 2020」の開催が決定するなど、これ以降訪日外国人客が増加し日本の食文化が世界的にブームになるきっかけの年でした。料理人の中でも、次なるジェネレーションが台頭しはじめていながら、そうした世代に光を当てるような動きがあまりない中、次世代を担う若き料理人を発掘する構想を世の中にアウトプットすることになりました。

U-35が、
次の時代の
ドアを開く

次世代を担う若き料理人を発掘する「RED U-35(RYORININ's EMERGING DREAM U-35)」、そして大会で発掘した才能をつなぐコミュニティ「CLUB RED」からなる “RED” PROJECTをプロデュース。

コンセプト開発、各種コンテンツ制作、WEB制作、デザイン制作、スピンオフ企画開発、そして大会運営まで担当しています。美味の先にある価値を考え、料理界から未来と世界を変えていくためのプロジェクトとして、料理人だけでなく食業界を巻き込み、毎年アップデートしながら活動を推進しています。

以降の食業界に大きな影響を及ぼしたテレビ番組「料理の鉄人」が、才能ある料理人をトップクリエイターとしてその発想力に光を当てたことで、料理人に憧れ、スターを目指す若者が続くことになりました。その後、ミシュランガイドが2007年に日本に上陸し、スターシェフの隆盛は続きます。

しかしながら、その後、メディアもネットやSNSの普及で多様化し、飲食店や料理人の姿も多様化。料理人の野望や夢もさまざまに広がり、新しい世代の斬新なレストランが増えたり、既存のステップとは異なる働き方で成功する料理人も増えてきました。

オレンジではこうした状況において、改めて「次世代の料理人」の価値とモチベーションを再定義。「料理人がそれぞれの夢を持ち、先人たちや食業界がそれを後押ししていくこと」によって新しい時代の扉が切り開かれていくと考え、35歳以下を対象とした若手料理人コンペティションという大会をデザインしました。

料理人として
自分と未来を
プレゼンテーションする

RED U-35では、大会を「コンテスト」とは言わず、「コンペティション」と称しています。料理の技術を競う大会ではなく、料理人としての考え方や人間味、将来性を見据えて次の時代を牽引するような人物を発掘したいという願いがあるからです。オーディションという言葉が近いかもしれません。「お袋の味」に代表されるように、料理は誰がどんな想いで作ったかによって味も変わることをみんな知っています。そうした人間性や運をつかみとるセレンディピティなどを持っていてこそ、道が切り開かれる時代だと思っています。

募集時には、その年なりのテーマを発表します。
食材を料理し、いただくことは、人と人をつなぎ、人と自然をつなぎます。料理人はただ料理を作っているだけではなく、お客様への体験の提供、社会との関わりなどさまざまなことを考える時代です。
そんな大会から料理人への問いかけの1つが応募テーマ。時々の空気感から考え、2013年から、「卵」「豆」「日本米のイノベーション」「発酵」「糖」「あぶら」と続き、2019年は「ニッポンの宝」、東京五輪の2020年は「未来への一皿」としました。

審査は4段階。書類審査、映像審査、試食審査などの段階を踏み、最終審査ではあの手この手のサプライズを用意。毎回サプライズな審査があることで、決まったセオリーで人物を選出するのではなく、異なる価値観を大切にしたいという意図があります。

次世代たちの
目線から生まれた
チーム戦略

大会をスタートして、数回重ねたことで、参加する料理人たちの想い・目線から見えてきたことがありました。参加してもちろん一等賞を目指すのですが、参加したことで自分と向き合うことができた、そして同世代の多様なジャンルの料理人たちと出会うことができた、そこに価値を見出す人たちが実に多かったのです。

そして大会が一貫して投げかけている「食を通じてどんなメッセージを発信するのか?」、それを多くが自分なりに考え、行動し、社会をより良くしたいと思う、料理を作るだけでは済まない料理人たちが確実に増えていることを実感しました。

そこで、意欲あふれる若者たちがジャンルを超えてつながり、日本中の豊かな産地とつながり、世界各地の多様な食文化とつながり、さまざまな企業とも連携し、社会が抱える食にまつわる課題と向き合い、料理の先にある"何か"を探していくコミュニティとして「CLUB RED」をたちあげました。

CLUB REDによるアクションは、地域活性や商品開発、料理教室、食育教室、ダイニングイベント、セミナーイベント、地域の料理人との交流など多岐にわたっています。今後もこの活動はさらに厚みを増していくと思います。

2020年、新型コロナウィルスのパンデミックにより、飲食業界は大きな打撃を受けました。同時にRED U-35 2020は開催中止になりました。この年、プラスチックのレジ袋が有料化になり、ミシュランガイドはサステナブルなお店に緑の星を付け、ノーベル平和賞はWFP=世界食糧計画に賞を授与。
REDとしてはかねてより食のサステナビリティを推進してきましたが、この流れの中で「食のサステナブルAWARD」や「CLUB RED SMILE PRESENT(エッセンシャルワーカーの子供たちへの支援)」などを立ち上げ、SDGsへの賛同も表明しています。

REDとは、食欲の色、情熱の色、生命力の色。次の時代を担う新しい価値観のクリエイターたちが真っ赤なフラッグの元に志を共にし、混じり合い、高め合いながら、料理界から未来と世界を変えるプロジェクトとして社会に提示しています。

Client:RED U-35実行委員会、株式会社ぐるなび
Executive Producer: 小山薫堂
Producer+Creative Director:内田真哉
Planner+Director:堀尾優、吉岡太郎
Project Manager:近藤徹

RED U-35/CLUB RED 公式サイト

実施時期:2013年〜現在

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