プロジェクト / 事業プロデュース

Grill Takeshita

竹下コーポレーション

#地域 #空間プロデュース #食

地域に開かれた
ホテルダイニングを目指して

九州のソウルフード、ブラックモンブランを
製造・販売する竹下製菓株式会社の関連会社、
株式会社竹下コーポレーションが運営する
佐賀駅前のホテルのダイニングを、
「3世代に愛されるダイニング」を軸に、
レストランコンセプトからデザインまで
一貫したブランドプロデュースを行いました。

プロローグ

暮らしの中に溶け込む
ダイニングを目指して

ホテルのダイニングはホテルのお客様と宴会利用のお客様のためだけではもったいない。ホテルは駅前にあり、目の前には大型スーパー、そのスーパーや駅を利用する人のための駐車場、高速バス乗り場など、佐賀の人々のハブになる場所に建っており、この場所をもっと地域の方の生活に根ざした場所にしていくご提案をしました。

例えば、高速バスのお迎えの待ち合わせに使って頂いたり、お買い物でばったりあったお友達とお茶をしたり、もっと地域の方々にも開かれた居心地のよいレストランになれるのではないかと考えました。
この思いをもとに、ホテルのお客様を大切にしながら、お一人やお二人のお客様は落ち着いた時間を、ママ友や親子3世代でいらして頂いても大勢でワイワイと楽しめる、幅広い層のお客様が思い思いの時間を過ごせるダイニングキッチンへのリブランディングを行いました。

レストランコンセプト
「世代を超えて。
少し懐かしい洋食レストラン」

佐賀の強みはなんと言ってもその豊富な食材にあります。特に全国有数のブランド牛、佐賀牛は地域の方々は食べ慣れている食材であっても、遠方からお越し頂いた方にとっては外せない名物食材。この外せない食材を様々なユーザー層に魅力的に映るメニューは何か? それは、世代を超えて老若男女に愛されるハンバーグをはじめとした「洋食」メニューを少しモダンに、より美味しく提供することだと考えました。

看板メニューは、グツグツとしたデミグラスソースに埋もれたハンバーグ。その上にのったトローリ温玉をかめる鉄鍋スタイルで熱々をお召し上がりいただきます。
そのほかにも、佐賀牛の鉄鍋焼きご飯など少し珍しいメニューから洋食の定番メニューまで、3世代親子でお越し頂いてもみんなが食べ終わったあとちょっと幸せになるメニューづくりをご提案しました。

佐賀の恵みたっぷりの朝食は
一日の活力源

出張でいらしたお客様の大切な佐賀の一食となる朝食。どのホテルにもあるような品数だけ用意したブッフェスタイルの朝食でなく、朝でも佐賀の恵みをお楽しみいただきたい、という思いから、お膳でのご提供スタイルをメインにするご提案をしました。炊きたての佐賀の夢しずくが何杯でも食べたくなる有明の焼き魚、そして佐賀のお野菜をメインにした小鉢、佐賀の熊の川温泉の湯豆腐など、佐賀づくしのお膳をご用意。佐賀野菜のサラダやホテル名物の朝カレーなど一部はセルフサーブを残しつつ、一品一品に心を込めてお膳を仕立てるスタイルに大胆に変更しました。

食品ロス削減が叫ばれる時代にブッフェスタイルを提供するよりも、丁寧に一品一品作られたお膳を提供したほうが、結果的にご満足頂けるのではないかと考えました。また、美味しい朝食を出せば、きっと近隣の方にも週末などにご利用頂ける、というのが狙いでもあります。お膳スタイルによって、廃棄も減るだけでなく、料理補充、追加調理、ホールスタッフの厨房との行き来などがなくなり、効率的なオペレーションにもつながっています。

目指したのは“竹下家のおうち”をデザインで表現すること

デザインテーマは、レストランコンセプト「少し懐かしい洋食レストラン」を受けて「あたたかみがあり、ちょっとノスタルジック。でも新しい。」としました。まるでおうちのようにほっとできる空間づくりを目指し、おうちをモチーフにしたロゴデザインで演出しています。また、天窓のようなデザインで竹下家の落款のような印影をインサートする遊び心も加え、竹下家の食卓に遊びに来ているようなイメージをデザインに落とし込みました。

旅人も地域の方も
思い思いの時間が過ごせる空間とは?

コロナ禍のさなかに始まったレストランの再生計画。当初は天井が高すぎて、ガランと寂しい印象だった空間も、梁見せ天井がアクセントになり、程良い高さ感がウィズコロナ時代にあった、密のない、空気の循環の良い空間に仕上りました。また、デザインテーマのノスタルジックさの演出として、ぬくもり感のある梁や椅子の張り地にビス打ちを施すなど細部にまでこだわっています。

出張利用が多いホテルの特性から、お一人で夕食をお過ごしになるお客様も多いため、夕食には孤独のグルメ体験が楽しめる空間をご用意しました。カウンター内のスタッフとおしゃべりを楽しみながら、佐賀の食材を堪能していただくもよし、外にお食事にでる前にハッピーアワーを楽しんで頂くことも可能です。

竹下製菓さんはアイスクリームでお子さんに笑顔を届ける会社です。そこでこのレストランもママ達が安心してお子様を連れてこられる空間にしていきたいと考えました。ママ友や親子3世代でいらして頂いてもお子様を遊ばせながらゆっくりと過ごして頂けるキッズルームをご用意しています。また、ランチにはアイスクリームの食べ放題もご用意。お子様はもちろん、大人でもちょっと幸せになる竹下製菓さんならではのサービスもご用意しています。

店舗ディスプレイのアートワークも、“竹下家のおうち”を演出しています。竹下製菓の歴史が詰まったビンテージ写真を額装し、竹下家に飾っているアートのような設えにしました。また、パーティールームには佐賀の恵みの風景をベースにオリジナルアートを製作し、ノスタルジック✕新しさを演出しています。

Client:株式会社竹下コーポレーション
Producer+Project Manager:秋下麻衣
Food Producer:宮下大輔

実施時期:2021年8月 OPEN

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